今日は「消費者教育フェスタin浜松」に参加しました。そもそも「消費者教育」という言葉になじみがないかと思いますが、現在の私の仕事における専門領域です。非常におおざっぱに説明すると、消費者教育とは「安心・安全で豊かな生活を送ることができるように消費者の自立を支援すること」です。このことについては、またどこかで詳しく取り上げたいと思います。
さて、今回の研修で一番面白かったのは、基調講演をしてくださった劇作家・平田オリザさんのお話でした(これを目当てに参加!)。数多くの著作物があり、小説『幕が上がる』が百田夏菜子(ももいろクローバーZ)主演で映画化されたことでも有名です。講演の中で次のような言葉がありました。
「日本人は幼い頃から『嘘をついてはいけない』と教えられる。ただ、作家でありフィクションの世界で生きている私のようなものからすれば違和感がある。『嘘をついてはいけない』と言われ続けることで、自分の本当の姿ではなく、『誰かにとって望ましい自分』を演じ続けて疲れてしまうこともあるのです」
さも当たり前で常識的な言葉が持つ影響について考えさせられました。この話題の中で、教育先進国であるフィンランドでは、小学校低学年くらいに文章を読ませて「嘘とおおげさ」について考えさせる授業があるとの紹介もしていました。
「真実」を見抜くためには「嘘」とは何かを知らなければならない。じつはこれが消費者教育でも大事な視点で、悪質商法等に騙されないようにするためには、騙す側の立場から考えることも必要です。「私は消費者教育の専門家ではなく、なぜここに呼ばれたのかと思っています。この場にいることがふさわしくないと自覚しておりますので、不満がありましたらすべて主催者の責任です」と冒頭から盛大な笑いをとった平田氏。ウィットに富む素晴らしい講演でした。
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