会派視察で福井県永平寺町にある「ZEN driveシステム」を見学しました。「ZEN drive」とは、京福電気鉄道永平寺線の配線跡地の町道を走路とする自動運転システムです。国家事業として2018年から永平寺町で実証実験がスタートし、現在は国内で初めて認可されたレベル４自動運転（特定の走行条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態）により運行されています。
永平寺町においては、住民が生活に必要な駅周辺の施設を利用するのに不便であること、京福電気鉄道永平寺線の廃線によって観光地である大本山永平寺までの移動手段が縮小するとともに、賑わいがなくなっていることなどの地域的課題が生じていました。自動運転システムは、その解決および安全な移動手段の確立が期待されての導入です。全長約２㎞の道程を試乗しましたが、非常に乗り心地はよく快適な印象を受けました。また、時速12㎞の運行であることから危険性を感じることはありませんでしたが、両側にドアがなく開放的であるため、体感速度はもう少し速かったです。
富士市においても、過疎地域に暮らす高齢者の移動支援、富士駅－新富士駅間の移動手段などへの活用が期待・検討できます。また、自動運転レベル４が実現すれば、ドライバー不足の解決を見込むことも可能です。レベル４自動運転には厳しい走行環境条件を満たしたり、国や企業の支援が必要だったりと導入へのハードルは高いですが、永平寺町での取組を参考にし、富士市の公共交通の未来を考えていきたいです。
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