ひとりごと

”島”だらけの富士市

 6月3日に「古谿荘に親しむ会」に出席しました。皆さんは古谿荘(こけいそう)をご存知でしょうか。古谿荘は富士市岩淵の富士山と駿河湾を望む富士川西岸の高台にあり、宮内大臣を務めた田中光顕の別邸として明治43年(1910年)に建てられました。伝統木造建築に西洋建築の手法を取り入れた和洋折衷様式の近代和風建築で、平成17年(2005)に国重要文化財に指定されました。私は残念ながら一度も訪れたことはないのですが、一般公開された際に母が見学したことがあったり、叔父が古谿荘でクラリネットの演奏をしたことがあったりしたそうで、非常に趣ある素敵な空間だと聞きました。現在は保存修理中(令和13年3月までの予定)のため立ち入ることはできませんが、機会があればぜひ伺いたいです。

 さて、同会の後に「富士川とかりがね堤」と題して、駿河郷土史研究会会長の加藤昭夫様が歴史文化講演を行ってくださいました。富士川は言わずと知れた日本の三大急流の一つで、かりがね堤ができるまでは、現在の富士駅の方に向かって本流があり、その途中でいくつもの支流が形成されていたそうです。富士市には「島」がつく地名が非常に多いですよね。水戸島、中島、五味島、森島、瓜島…その他まだまだありますが、これは支流に挟まれた土地や氾濫したときに浮いて見えた様子などが「島」のように映ったことが由来らしいです。富士川の治水事業は古郡重高ー重政ー重年の三代にわたり、じつに50年余の歳月と莫大な経費を費やしたことで完成されました。昔の人たちの知恵と労力には頭が下がります。

 今日、かりがね堤はおジョギングコースとして多くの人たちに親しまれており、春には桜の名所として花見を楽しむ姿が見られます。歴史に思いを馳せながらゆっくりと散歩してみてはいかがですか。

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