昨日は、統一地方選挙前半戦の開票日でした。現状の選挙における課題が浮き彫りになったと感じています。
まず、立候補者の不足についてです。静岡県議会議員選挙(34選挙区、定数68)においては、じつに15選挙区、25人が無投票当選でした。つまり、定員を超える立候補者が出ることなく、現職がそのまま再選を果たしたということです。富士市もそれに該当します。選挙は規模が大きくなればなるほど資金が必要となり、多くの人たちを動員しなければなりません。また、場合によっては職を辞して挑戦しなければならないため、リスクがともないます。それゆえに、参入障壁が非常に高く、全国的に議員のなり手が少なくなっています。無投票は、現職に対する評価の機会が失われたことと同意であり、政治の緊張感が薄れる恐れもあります。今後はこのような状況がさらに悪化する可能性を否定できないため、定数の見直し等を検討することも考えなければなりません。
次に、投票率の低下です。私は静岡県議選および静岡県における2つの政令指定都市、静岡市長選と浜松市長選に関心を持っていました。しかし、各投票率は、静岡市長選(45.61%)、浜松市長選(49.44%)、静岡県議選(44.62%)であり、いずれも過去最低を記録しています。市長選については「勝ち馬」が予測できたこともあり、「どうせ投票に行かなくても…」と考えた人が多かったのかもしれませんが、そもそも「政治的無関心層」が増えてきていることの表れだと思います。このことについてはまた別の機会に詳しく触れますが、有権者に政治をもっと近くに感じてもらえるよう工夫する余地があると考えています。
余談ではありますが、神奈川県知事選ではじつに興味深い投票結果が開示されました。現職の黒岩知事が4回目の当選を果たしたわけですが、無効票の数が21万票余りにのぼり、全体のおよそ6.9%を占めたことが明らかになりました。単純な不備によるものもあるとは思いますが、有権者が「立候補者の中に知事にふさわしい人はいない」という思いを、白票(白紙のまま投じられた投票用紙)というかたちで意思表示したとも考えられます。
統一地方選挙後半戦もいよいよ始まります。立候補者は「有権者の心をどれだけ動かすことができるのか」を試されています。
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